■ 抄録・要旨
| 有害大気汚染物質について、埼玉県における12年間の測定結果を用いて地点間の相関を中心に解析を行い、各物質の発生源の距離に基づく情報をどの程度得ることが可能かを解析した。
県内の8箇所の調査地点には、沿道2地点と盆地1地点を含んでいるが、各物質の地点間濃度には、ほとんどの場合には有意な相関関係があった。特に、自動車が主要な発生源であるといわれているベンゼンや1,3-ブタジエンでは、すべての地点間で危険率0.1%で相関関係が認められた。また、これらの濃度は年々低下しているにもかかわらず、地点間の相関は高まっていることが分かった。このほか、近傍に発生源がある場合は、その地点のみの相関の低下から、近傍に発生源がある地点を識別できた。
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